巨匠スティーヴン・スピルバーグを感服させ、カンヌ国際映画祭、トロント映画祭をはじめとする13の映画祭でも、万感込められた拍手に称えられた感動作が、いよいよ日本にもやって来る。
チャン・イーモウ監督作にコン・リー主演という、『紅いコーリャン』、『秋菊(しゅうぎく)の物語』、『活きる』など数々の名作を世界に生み出した伝説のタッグが復活。近年、イーモウは超大作やオリンピック開会式を監督、リーはハリウッド映画に進出するなど、それぞれに豊かなキャリアと人生を重ねてきた二人が原点に返り、21世紀に残すべき傑作を完成させた。
1977年、文化大革命が終結。20年ぶりに解放された陸焉識(ルー・イエンシー)は妻の馮婉玉(フォン・ワンイー)と再会するが、待ちすぎた妻は心労のあまり、夫の記憶だけを失っていた。焉識は他人として向かいの家に住み、娘の丹丹(タンタン)の助けを借りながら、妻に思い出してもらおうと奮闘する。
収容所で書き溜めた何百通もの妻への手紙をくる日も彼女に読み聞かせ、帰らぬ夫を駅に迎えにいく彼女に寄りそう。夫の隣で、ひたすら夫の帰りを待ち続ける婉玉。果たして、彼女の記憶が戻る日は来るのか──?
夫に扮するのは、イーモウが「中国最高の俳優」と誇る『HERO』のチェン・ダオミン。誰よりも互いを求めているのに、決して心を通い合わせることのできない二人が、やがて見つけたものとは──この世で最も切なく最も高貴な“愛”の物語。